高断熱と高気密とその先
新築住宅においては高断熱高気密住宅が関東でも当たり前になって2020年に向けては義務化もされます。
建物の省エネ性能が高くなることは、地球温暖化の今日では家づくりの最優先事項であるように感じます。
しかし工務店としては、やはり建物が安全で健康であることが大前提で最重要事項だと思うのです。
どの工務店も、そのことをないがしろにしているわけではないと思いますが
湿気や熱によって引き起こされる現象にふれないまま施工した高気密・高断熱住宅での結露やカビの問題は実際に全国各地で起こっています。
私も湿度の多い日本の気候で木造住宅に高断熱・高気密を施すことにはとても違和感がありました。
高気密・高断熱を否定する気は全くありません。特に家を新築するなら快適な家がいいと思うのはあたり前のことだと思います。
ただ快適性を追求するなら、建物を色々な分野から考え、適切な施工をして、健康な家をたてる知識が必要になります。
という背景でここ数年そんな勉強会やセミナーに参加しています。
昨日は虎の門の住宅産業研修財団で3回目の後継者育成塾がありまして
講師である丸谷博男先生の講義でこのテーマを取り扱いました。
断熱と気密をとる以外にも遮熱の役割はかなり重要であること、併せて日本の家からは切り離せない通気・換気の方法、それに伴う構造の問題、冷暖房の仕方や方法もゼロベースで見直す必要がありそうです。
かなり踏み込んだところまでお話頂いて、モヤモヤしていたところにも進むべき方向が見えてきたような気がします。
家はいろんな人の手が入って作られるので、完璧な完成品はない。だからこそ知識を持った者が家づくりのバランスを見極めることが大切だ。
と昨日の懇親会でもそんな熱い話がでました。
1月に行ったドイツの研究所の方のセミナーでも同じことをおっしゃられていました。
この問題はきっと永遠に対処していかないといけない問題なんだな。とつくづく実感。
後継者育成塾も残すところあと3回。他の工務店さんたちともこういった場でコミュニケーションが取れるのは貴重でありがたいことです